ジブリ作品の中でもとりわけ可愛らしい作品なのが「崖の上のポニョ」。
ポニョと宗介のやりとりや真っ直ぐな気持ちetc…考えるだけで思わず微笑んでしまいます。
そんな「崖の上のポニョ」ですが…実は死後の世界が舞台になっていた。
こんな聞き捨てならない都市伝説があるのをご存知ですか?
あの可愛らしいイメージからはおよそ想像できませんよね。
では、なぜ死後の世界なる噂が飛び交い始めたのか。
ここで「崖の上のポニョ」の各ストーリーを見直していきましょう。
「崖の上のポニョ」で巻き起こる不思議な出来事
「崖の上のポニョ」では主人公のポニョ、宗介の周りで不思議な出来事が次々に巻き起こります。
その中でも特に不思議なのは物語のクライマックス、海の中の出来事ではないでしょうか。
猛烈な嵐が街を襲い、宗介たちの街はほぼ海の中に飲み込まれてしまいました。
そして宗介の母、リサが働いていたデイサービスの施設も海の底。
ところが、施設で生活していたおばあちゃんたちが走り回っているではありませんか!
(彼女らは、車椅子でしか動けなかったはずなのに…)
まるで少女たちが鬼ごっこをするように、それはもうはしゃぎまくっています。
しかもそれは海の中。
それなのに呼吸をして、会話をして、走り回って・・・
現実の世界ではあり得ないことばかりですね。
このことから、おばあちゃんたちは天国、つまり死後の世界に行ってしまったのではと推測されているのです。
「死後の世界」という単語だけ聞くと何だか暗いイメージを抱きがちですが…
「崖の上のポニョ」で描かれるシーンはとても対照的だし、みんな笑顔で素敵な雰囲気。
こんな死後の世界ならとっても楽しそうですよね!
死後の世界は本当だった!?終盤で登場する不思議な家族
嵐が過ぎ去って街が海に沈んでしまった後、宗介とポニョは船に乗ってリサのところへ向かいました。
途中、同じように船で避難する夫婦と赤ちゃんに会った2人。
その夫婦をよく見てみると…なんだか少し違和感がありませんか?
「崖の上のポニョ」の時代とは異なる服装をしています。
それもそのはず。この夫婦は公式のキャラクター紹介の中で大正時代の人物とされているのです。
ここから彼らは、死後の世界を彷徨っているという解釈ができるとのこと。
彷徨っている理由。それは奥さんが抱いている不機嫌そうな顔の赤ちゃん。
実は赤ちゃんだけがまだ成仏できておらず、不機嫌な顔をしているとされています。
確かにそう考えると辻褄が合うような…
そして泣いている赤ちゃんを見たポニョは、ぐっと顔を近づけて何やら魔法をかけました。
すると、ずっと泣いていた赤ちゃんがスッキリとした顔つきになり、ついには笑顔まで。
「崖の上のポニョ」の中で彼女がどんな魔法を使えるのかは明確にされていません。
ただ、この夫婦が死後の世界を彷徨っていたとするならば、ポニョは赤ちゃんを成仏させてあげたのではないでしょうか。
ポニョはホントに不思議な力を持っているのですね!
また、この夫婦の存在も「崖の上のポニョ」が死後の世界を描いているという説を裏付けているようです。
「崖の上のポニョ」の名前に隠された設定
赤ちゃんを成仏させてあげたポニョ。
つまり、彼女は生死を操れるということなのでしょうか?
「ポニョ」という名前は宗介が命名しました。
「ぽにょっとしてるから」という理由が本当に可愛いなと思いました。
しかし、ポニョの本名を知ってびっくり。
彼の名前は「ブリュンヒルデ」といって、これは父親であるフジモトが付けた名前です。
ブリュンヒルデとは北欧の神話に出てくる王女の名前。
彼女は物事の予言ができたり魔術を使えるとされていました。
ある時、ブリュンヒルデは主神に逆らってしまい、その罰としてお城の中で眠らされてしまいました。
「崖の上のポニョ」でも、フジモトが彼女の力を抑える時には眠らせていましたね。
また、フジモトの潜水艇の中にあるポニョたちの水槽にはお城のようなものがありました。
といった具合に、神話のブリュンヒルデとの共通点が多い点は見逃せません。
そしてこのブリュンヒルデとは、ワルキューレの1人。
ワルキューレとは北欧神話に出てくる集団のことを指します。
戦の中で人の生死を決め、死んだ人を死者の館に導く役割を持っているのです。
「崖の上のポニョ」が死後の世界を描いたと噂されるのは、こういった背景も影響しているのでしょう。
赤ちゃんを成仏させてあげたという説もこの件を考えると納得がいきます。
まとめ
「崖の上のポニョ」が死後の世界を描いているという噂を紹介してきました。
他にも、宗介の父親が「船の墓場」に辿りついてしまったり、古代魚たちが海を泳いでいたりetc…
作品内には死後の世界を彷彿とさせるポイントがたくさんあるのです。
「崖の上のポニョ」の音楽を手掛けたのはスタジオジブリ作品でお馴染みの久石譲さん。
実は彼、ポニョの音楽に関するオフレコで「死後の世界」を匂わす発言をしていたのです!
ちょっと意外ですが、「崖の上のポニョ」で使われた楽曲を聴き比べて現実と死後の世界を比較する…なんて楽しみ方も今後流行るかもしれませんね。